バーンスタイン医師の糖尿病の解決 正常血糖値を得るための完全ガイド から引用。
高血圧は、慢性高血糖の人たちの糸球体病(糸球体の破壊)を促進するが、1型糖尿病では、高血圧は通常尿中のかなりの量のアルブミンによって示される腎障害出現の前ではなく、後に現れる。
したがって、すべての糖尿病患者に塩分を控えるように要請するのは妥当であろうか?
ここで糖尿病患者の何割かが経験する高血圧の発症機序についていくつか見てみよう。
糸球体病が進行した人たちは必然的に高血圧を発症するが、その理由の一部はGFRが著しく低下したためである。
これらの人たちは十分な尿をつくれないので、水がたまる。血液中の過剰な水分は血圧上昇の原因になる。
高血糖によって高血圧が起きる原因にはその他いろいろある。単に高血糖であるだけで水が組織を離れ血流に入るということは非糖尿病者においてさえも実験的に生じる。
血糖値のコントロールと同時に血圧が下がるのをみることはまれではない。
諸研究によると、多くの高血圧の非糖尿病患者はインスリン抵抗性であり、血清インスリンが高い。
高い血清インスリン値は、非糖尿病者において血清中性脂肪の上昇と血清HDLの低下を来す以外に、腎臓による水と塩分の蓄積を助長することが長い間知られている。
さらに、過剰なインスリンは交感神経を刺激し、交感神経刺激は心拍数を増やし、血管を収縮することによってさらに血圧を上げる。
このように、炭水化物をたくさん摂り、したがって、インスリンを過剰に産生する2型糖尿病患者は高血圧を発症しやすい。
高炭水化物ダイエットをカバーするために、通常の工業的な量のインスリンで治療される1型糖尿病患者も同様に高血圧になりやすい。
ある目覚ましい研究は、高血圧の人の場合、血圧が血清インスリン値と直接比例していることを示した。
英国ノッティンガムからの報告は、正常なヒトに短時間インスリンとブドウ糖を静脈内注射すると血糖値が変化することなく血圧が上がることを示した。
1998年のスコットランド、グラスゴーのある研究は2型糖尿病患者で塩分制限によりインスリン抵抗性が増加することを示した。
「糖尿病患者、非糖尿病患者を問わず高血圧の多くは によるものであり、特に糖尿病患者においては塩分制限は逆にインスリン抵抗性を増加させる可能性がある。」
ということになります。
インスリンは血糖を下げるホルモンというより、栄養を蓄積させるホルモンという方がより本質に近いと思いますが、
それが作用し過ぎれば、血圧調整に重要な役割を果たす腎臓にとって水分や塩分の負荷が増える方向に代謝が動いてしまうようです。
いずれにしてもインスリンが過剰分泌されればいろいろなメカニズムが働いて高血圧をきたすということがわかります。
さらにそんなインスリンが出過ぎる状態が続けば、インスリンがあっても作用しにくいインスリン抵抗性が高まってきます。
従って高インスリン血症が原因で起こっている高血圧に対しては根本治療とも言える合理的な方法になると考えます。
興味深いことに糖尿病でなくとも、健康人で糖とインスリンを実験的に同時摂取させ血糖値が上がっていなくても血圧が上昇するというのですから医療現場で本態性高血圧症として原因不明の高血圧として扱われているものの多くは、無自覚の高インスリン血症が主因のものが多いのではないかという可能性も考えられると思います。
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