脊柱の機能障害

それほど、脊柱の機能は人の身体にとって重要なものとなっている。

脊柱における機能障害は神経系に次のような影響を与える。

・外傷や神経的な反射などにより、脊柱の関節面の滑りを妨害されると、位置異常や関節機能障害と理解すべき様な状態になる。このような状態において脳からの反応として筋や器官、腺などの標的器官に与える刺激が過少又は過剰になる。

・神経が長期にわたって圧迫を受けると神経は変性し、標的器官への支配が低下するため、筋の異常、体の自己知覚の異常、腺の機能低下などが起こる。

・このような状況下では組織の適切な機能は発揮できず、免疫不全など各種体調不良が生じてくる。

このような背景で体調不良が起きている場合、患者自身の自覚する痛みや体調不良を薬剤などの対症療法でやり過ごしていたのでは、真の健康を取り戻すのが難しくなる。

人の身体は少しぐらいの機能障害が起きても、それを軽減するために様々な代償（肩代わり）を水面下で行う。

例えば、姿勢を微妙に変化させることで他の部分から生じた負荷を軽減させる。ただし、この場合自動的にその分過剰に負荷のかかるところを作ってしまう。

慢性の痛みであれば、ふつうその過剰に負荷のかかっているところに出やすい。

しかし、このような代償初期ではとくに痛みなどの異常を自覚しないことが多い。

このような非生理的負荷が長期間続くと、代償が身体の色々なところで生じるがそれでも痛み発生の手前でぎりぎり止まっていることもある。

ところが、身体の代償がもはやできなくなるところまで来ると、痛みが発生する。

このような状況下で多くの人は病院や代替医療の施術院を訪れることになる。

痛みの大小はあれど、痛みが慢性的に生じてきたという事はそのずっと前から、体の中では様々な異常を生じていて、なんとかやりくりしていたのだ。

では、このような慢性の痛みや体調不良を本当に改善していくにはどのようなことが必要だろうか？

過去の出来事や今現在の生活習慣など、かなり幅広い考察を加えて、ひとつづつ地道に修正していくしかないのではないだろうか。